墓石モニュメント (2016年)

クライアントよりお墓のデザインを依頼されました。
様々な角度から、複数のコンセプトの提案しました。
若冲の象などをあしらった屏風型極楽図案、
阿弥陀如来の右手をアラバスター石で彫り、西日を透かせる案、
極楽と墓とを結ぶ意味で五色の紐を石で彫る案、
蓮の花で象徴された先祖と、現存する子孫が車座に座れる椅子の案、
ブロンズ製の蓮の花を据えて、常に花が飾られている案、
積み上げた人生を階段で表した案などです。

最終的にクライアントの人生をもっとも反映したこの階段案に決定。
クライアントは、宗教的というよりは、むしろ論理的、合理的な方で
0か1か、白か黒かという二進法思考の人生観を表しています。
また、人生の階段であると同時に、先祖から子孫へと繋がる階段を表すこと、
お経よりも、自選の言葉と、星や旅の図案を墓石に残したいという希望を実現しました。


深緑色のみかげ石と白みかげ石との組み合わせで建造しました。
香炉部分が開き、内部に12口の骨壷が収納可能です。
中央文字はブロンズ鋳造。一方、両脇石板の墓碑銘はゴム切りで彫刻。
すべて、クライアントの直筆原稿を型に起こしました。
周りには0と1の数字、そして宇宙の運行の図案を表しています。
両脇に並ぶ穴が花立になっており、使用しない時は白と黒の石でフタをします。


設置場所:善教寺 (三島市) / 石材施工:原田石材(有)  (伊豆の国市)