仏像メンテナンス作業

2011年4月、岩手県大船渡市へ復興ボランティアに行きました。そこで
津波で被災した方の仏像を預かり、クリーニングと修復を施して返しました。

被災状態
浮き彫りの溝に汚れた砂が入り込み、両脇仏の手が欠損していた。色が剥げ下地の朱漆がむき出していた。蝶番が錆びて可動し難い状態だった。


修復後:柔らかい歯ブラシと中性洗剤で像の汚れを落とし、真鍮ブラシで蝶番を研磨。FRPパテで欠損していた手を成形し、固まった後、彫刻刀で指を彫った。朱色の下地塗装、仕上げ色塗装のあと、油性ワックスで拭いて保護をした。

被災状態
海水に浸かり銅の表面に汚れと緑青が付着し色がくすんでいた。(下画像も同様)

修復後:柔らかい真鍮ブラシで汚れと緑青を磨き落とした後、布バフで表面を研磨して、凸面で銅本来の光沢を出した。仕上げとして油性ワックスで拭き、表面を保護した。