La Fede - 2010 bronzo

 『 信仰 』 2010年 ブロンズ
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カトリック教会の聖像制作のために造った雛形のうちの一つです。
十字架に架けられたのち、3日目に復活し昇天する神の子をイメージしています。
死の苦い杯を飲み干し、全て成し遂げたあとのイエス様の顔は清清しく輝き、そのまなざしは子供のそれのように
天の父なる神に向けられて、ゆっくりと天に昇って帰っています。
手に持つ十字架は、自らが架けられた大きく残酷なものではなく、もはや信仰の象徴として心に掲げています。
その御顔と胸の十字架に視線が集まるよう、それ以外の衣服の部分に、ひだや凝ったレース編みなどはありません。
いつか実物が完成し、暗い御堂のなかで、ブロンズが香に燻されて黒く沈んでも、そこだけ鈍い光を放つようにという想いで、
両手と両足の聖痕の部分には、丸く切った金箔を施しました。