Michelle bassorilievo - 2010 bronzo

 ミッシェル・レリーフ 2010年 ブロンズ
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どのカテゴリーに入れていいか悩む新たな作品を試みました。
普通の浮き彫り彫刻にすると、消えてしまうデッサンの線を、どうにかして絵画や彫刻作品の中に閉じ込めておけないかと、過去には画布上に絵の具を厚塗にし鉛筆で彫り込んだ平面絵画として、または、粘土のうえで線を彫り込み焼成してから色を注すテラコッタ作品として試みましたが、今回はブロンズ鋳造という方法を用いました。
デッサンそのものは既に遠近法を用いて描かれていますが、ここではさらに手前の足を一段前に出し、その向こうに寝そべった体、さらにその向こうに背景の窓を開けて物理的にも奥行きを強調しています。
またジーンズ表面を荒して緑青を吹かせ、一方褐色の肌を表すため磨きをかけてから焼き、また髪を金色に磨くなど、ブロンズ彫刻作品の持つ素材のさまざまな魅力と、柔らかく勢いのあるデッサンの線とを融合させた作品になりました。